【育児】息子が幼児の時に吃音になって治った話

こんにちは、まとりです。

今日は「幼児の吃音」に関する記事になります。



自分の子供の話し方に違和感を感じて「吃音症」を知る親さんもいると思います。

不安ですよね。

何の前触れもなくどもり出して、いつ治るのかもわからない。

この先の園生活や学校生活、大人になるまで治らなかったらどうしよう。

子供の将来を考えると胸が締め付けられる気持ちになりますよね。



うちの息子も2歳半から吃音でした。

最初は「あ、あー、あっ。あのね?」みたいな感じでしたが、だんだん酷くなり、呼吸すらできない無音のどもりにもなりました。

そして1年半後の4歳前には普通の話し方に戻ることができました。



吃音症は、原因や治療方法がまだハッキリとしていない症状です。

少しでも同じ幼児期の吃音症の悩むパパやママの力になれるよう、

・息子の吃音の症状の詳細
・親がとった行動
・周りの対応の仕方


などをご紹介したいと思います。

こんな人におすすめの記事

幼児が吃音で悩む両親

吃音症とは?

吃音症とは、発音がスムーズにできない症状を指します。

『言葉がどもる』『声が思うように出ない』など話す気が本人にあっても、周りと同じテンポで話せません。

歌や、みんなと決まったセリフを一緒に言うなどのシチュエーションではどもることはあまりありません。


2016年に放送された月9ドラマ「ラブソング」のヒロインの佐野さくら(藤原さくら)が吃音者のシンガーソングライターという設定でした。

このドラマを見て吃音症を知ったという方も多いと思います。


吃音者が身近にいない人にとっては、藤原さくらさんの演技が誇張されすぎに感じたかもしれません。

しかし、うちの息子も似たような感じか、それ以上のどもりだったので気になる方は藤原さんの演技を見てほしいです。



話がそれましたが、「吃音について」軽く説明します。

もう自分で調べたよっていう方は省いてもらって構いません。

吃音の原因は明確にはされていない

吃音者は世界中にいます。

日本語だからどもるという事ではありません。


で、原因は?というと、最新の研究結果では脳機能障害の可能性があるということと、吃音の原因遺伝子が特定されているようです。

どちらもアメリカの研究結果ですが、国内外ともにまだまだ研究が進められている段階です。

ソース元:ウィキペディア




現状、原因とされているのはおおまかに2つ。

吃音は

1.発達性吃音
2.獲得性吃音

に分類されます

吃音の9割は発達性吃音です。(中略)


体質的要因 (子ども自身が持つ吃音になりやすい体質的な特徴)
発達的要因 (身体・認知・言語・情緒が爆発的に発達する時期の影響)
環境要因 (周囲の人との関係や生活上の出来事)

※体質的要因(遺伝的要因)の占める割合が8割程度という報告もあります


一方、獲得性吃音には、

1 神経学的疾患や脳損傷などにより発症する獲得性神経原性吃音
2 心的なストレスや外傷体験に続いて生じる獲得性心因性吃音

があります。どちらも発症時期は青年以降(10代後半~)です。

出典元:国立障碍者リハビリテーションセンター研究所

幼児期は吃音になりやすい

国立障碍者リハビリテーションセンター研究所によると、【幼児期(2~5歳)に発症する場合がほとんど】としています。

幼児期で8%、男児に多いようです。

大人まで吃音になる確率は約1%といわれています。

吃音の種類は3つある

【連発型】1つの音を繰り返します。 

例えば「あっ、あっ、あっ、明日ね」など。


【伸発型】言葉を引き延ばします。  

例えば「あーーしたね」など。


【難発型】無音の状態が続きます。  

例えば「・・・・・・・・・・っ、明日ね」など。

ここまでのまとめ

吃音の9割は発達性吃音

吃音のまま大人になる割合は約1%とされている

日本では男児のほうがなりやすい

息子が吃音だった時の様子

息子は【連発型】と【難発型】でした。

吃音になったのは2歳半を過ぎたころ。

頭の一音を繰り返すな~と思っていたら、徐々にそれが顕著になって吃音だなとわかりました。



余談ですが、私は中学生時代に同じクラスで吃音の子がいました。

だから特に驚くことはなかったので、様子を見ることにしました。

吃音には波がある

2歳半過ぎの連発型吃音の発症後、一度吃音が収まる時期がありました。

まとり
ホッ。
これで吃音時期も終わりなのかな。





それからわずか1週間後、今度は難発型の吃音が現れました。

まとり
治ったと思ったのに!!

また吃音か。しかもバージョンアップしてる。

連発型は中学の同級生のおかげで見慣れていましたが、難発を目の当たりにするのは初めての経験です。


「息できてる!!???死ぬんじゃない!??」


って心配をするほど、呼吸が長時間止まることもありました。

大げさではなく、喉に大きな飴玉でも詰まってんのかっていう命の危険を感じました。



そして月日が流れ、また吃音が治まる期間があり、ふわっと連発吃音があってから4歳前に吃音完治。

どもらなくなって半年が経過します。



吃音は波があるもので「良い時」と「悪い時」を行ったり来たりします。

その波が小さくなっていくというイメージです。


息子もいつ再発するかもわかりませんし、本当に完治したのかも今後次第。

一生懸命話そうとする子だった

吃音になった原因ははっきりはわかりませんが、息子の性格上ストレスを感じていたことが関係するのかもしれません。


息子は年齢相応以上の会話レベルを話そうと一生懸命でした。




例えば2語文の時期だから「ごはん、おいしいね」で十分なのに

息子
今日のご飯って、卵の味がして、いつもより美味しいね

帰省した際、義母からはこんな指摘も。

義母
息子ちゃんは話したい事を一生懸命考えて、言葉にしようとしてるわね。

そうなんです。

『表現したい事』と、『表現できた事』のギャップにストレスを感じていたのではないかと思います。

ここまでのまとめ

吃音は治ったり、再発したりを繰り返してゆっくり治る

子供の性格上で感じるストレスもある

吃音を治す効果があったと感じる親の対応5選

原因がハッキリわかっていない中、治療も必ずこうしたら治るというものもありません。

それでもどうにかして吃音は治してあげたいと思うのが親ですよね。



こちらでは、夫婦で協力して試した改善方法を5つご紹介したいと思います。



効果があったのか、なかったのかわかりませんが、結果的に息子の吃音は改善したので試す価値はあると思います。

叱り方はわかりやすく短く

どうしてもいう事を聞かない時、押し入れに1~2分閉じ込めていましたのをやめました。


叱り方は短い言葉で端的に伝えるように変更。

それまではそうしたほうが良い理由や、どうしてそう思うの?という話を長々していました。

一生懸命理解しようとする3歳の息子には容量オーバーだったんですね。



1、2回言っても聞き入れない時は

まとり
今日はエンエンしてて大変だね。(慰める)

家に帰ったらおやつにしようか(関心をそらせる)

もうちょっと遊ぶか。(時間が許す限りは子供に付き合う)

このどれかで対応しています。

叱るのを最小限にすると、以前より物分かりが良くなって私も楽になりました。

喧嘩の原因だった「両親の役割分担」を話し合う

我が家は旦那は仕事で帰りが遅いため、叱ってなだめるのもほぼ毎日自分の役。




旦那の休日になると、

まとり
なんで私ばかり叱らなきゃいけないの?

たまにはあなたが叱ってよ。

私だって叱るの嫌なのにっ!

というイライラ感を覚えていました。




旦那は子供を叱れない人なので、余計に腹が立つこともありました。




一方息子はといえば、超パパっ子。

「吃音」を通して、逃げ場を作っておくのも大切なのかもしれないと感じるようになりました。



夫婦の話し合いの結果、叱るのは私、旦那は甘やかす担当。

一切叱らず、息子の要望はわがままでない限りできるだけ応えるのが旦那の家庭での仕事です。

おかげさまで、おんぶ、抱っこなどで体はボロボロ。



夫婦の言い合いも減り、息子のストレスも減ったのではと思います。

環境を変える

自宅育児中だと毎日同じでマンネリ化しませんか?


吃音の症状を見ていると、あることに気が付きました。それは、



両親以外の人がいる環境に長くいると、吃音が治っている



という事。



具体的には、帰省して実家で過ごしたり、総祖父母の家に泊まりでいったりしたとき、息子の吃音はマシになったり全く気にならないまでに改善したりしていました。

どちらも大体1週間程度の滞在です。

変化に気づいてからは、できるだけ長く滞在できるようには努力していました。



普段と違う環境に変えたり、知らない親族と話すことで息子なりに何か変化があったのでしょう。



特に旦那がいるとその兆候は見られました。

心の安定と環境の変化は吃音の目に見えない薬だと思います。

話し方に関する余計な指摘をしない

これはネットで書いてあったので実行しました。



吃音を本人が自覚しているか、していないかで対応は変わります。

指摘することで「自分は普通じゃない」と意識する子もいるらしく、吃音者の対応としては吃音であることを指摘や注意しないようにするようです。



例えば、

「ゆっくり話そうね」

「落ち着いて喋れば大丈夫だよ」

などのアドバイスもしませんでした。


ただし、難発が酷いときは背中をさすったり、一回呼吸してみようと促すことはありました。

子供の話を最後まで聞く

こちらもネットで調べて実践。

言えないから代わりに「〇〇って言いたいんだね」と、言葉を先取りしてしまう。

子供の話を遮って親が話してしまうと、子供の話したいという気持ちは萎んでしまいます。



時間がない時でも手を止めてウンウンと適度に相槌を入れながら、耳を傾ける。

子供が話し終わってから、使っていた言葉で簡単にまとめると「言いたいことが伝わってる」と子供も達成感が得られるようです。

ここまでのまとめ

片っ端から試してみて、改善の兆しがあれば継続して行う

息子の場合は環境の変化が一番効果アリ

他の子供たちから吃音をいじられた時の対処法

近所に同じような子育て世代が多いので、仲良くしてくれる子はいました。

息子は3歳でまだ園には通っていません。

方や近所の子はみんな小学生1年から5年生と大きい子ばかり。



少しでもどもろうものなら、

近所の子
え!?何??何が言いたいの?
近所の子
…あっちで虫とろうぜー!
近所の子
いいよ!何言いたいのかわかんなーい。(走り去っていく)

息子は伝えたい事を言い切ろうと、ついていく。

毎日こんな日々でした。

子供は悪気なく思ったことを口走ります。

それが親にとっては酷に見えてしまいます。

息子がちょっとやそっとじゃへこたれない性格であっても、吃音のせいで他の子にからかわれたり、変なの扱いされるのは悲しいものですね。




結局、私の判断で家の中で過ごすことにしました。

一応遊び仲間には、

まとり
息子はこういう話し方の子だから、最後まで聞いてくれると嬉しいな。

と説明済み。



それでも5人以上も子供がいれば、中には息子が話し終わるまで我慢できない子もいます。

手厳しい指摘だってされます。

気にかけてくれる優しい子もいますが、集団となれば仲のいい子を優先することもあります。




その様子をみていると、複雑な人間関係の中に、わざわざ息子を入れなくてもいいのかなと思いました。




変に指摘されて吃音が定着することの方が怖かったので、一旦その場から抜けるのも選択肢の一つと考えます。

ここまでのまとめ

無理に皆の輪の中に入る必要はない

吃音の原因は親のせい?

ネットや言語聴覚士や療育センターの相談などでは「吃音は親のせいではなく、発達過程の一つ」と説明されることが多いと思います。



我が家の場合は、私のせいだったと思っています。



厳しい躾、年齢以上のことを求めるのが日常茶飯事でした。

押し入れに居れたり、子供が委縮するような躾はしていないか。

「なぜ?どうして?」を子供に求めてはいないか。

子供がのびのび過ごせていないのなら、それは親のせいと考えてもいいと思います。





吃音経験者のブログ『吃音・どもり経験者が語る自力で治す方法「お前ら何も分かってない」』でより深く考えさせられました。

以下ブログからの引用です。

吃音症の原因は、以下の3つです。


✔過去に意見をいいづらい環境に居た

✔発語する瞬間に、それを阻止される環境に居た

✔絶対的な力で表現力を抑えられる環境に居た

出典元:雑感ビビッ

この筆者は

自分の中にも思い当たる節があり、それらすべてを改善。(先ほどの5選で紹介済み)



親が早口なのも良くないというネットの意見もありましたが、そこは治しませんでした。

意識的にゆっくり話すことで子供をバカにしてる気がしたからです。

普通でいる事が息子を認めてあげる行為でもあると今でも思っています。



私も幼少期の記憶を持っていますが、表現できる能力が足りないだけで、考えていることは大人と同じでした。

そう考えると、息子に特別扱いするのは「あなたはこうじゃないと聞き取れないでしょ?」という態度になってしまいます。


今思い返せば押し入れに入れるという躾も良くなかった。

私もランドセルを外に放り出されたことがありましたが、叱られたというよりは、理不尽な気持ちを強く感じました。




親のせいかどうかなんて正直、わかりません。

だったら自分のせいと思って、できる事をしたほうが良いと思いませんか?

大事なのは責任や原因じゃなくて、これからどうするか、何をしてあげられるのかだと私は思います。

ここまでのまとめ

原因や責任を探すよりも、自分には何ができるのかを考えて実行することが大切

まとり
いかがでしたでしょうか。

吃音になって不安に感じる親さんもいます。

それでも子供に何がしてあげられるのかを考えて実行するだけしか、親にできることはありません。

自分に落ち度がなければ、発達の一つとして様子を見ることも大切です。


私は不安で療育センターへも相談しましたが、そちらの話はまた後日。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。