【欲求 金銭感覚】マズローの欲求5段階説学ぶ、今すぐやめるべきお金の使い方

お金はどんな時に使うと思いますか?

答えは「問題解決する時」に人はお金を使います。
問題を解決したいという欲求が原動力となり人は消費行動を起こします。
その欲求をわかりやすく解説したのが「マズローの欲求5段階説」です。

今日は欲求5段階説から学ぶ、今すぐやめるべきお金の使い方についてお話します。

普段のお金遣いを自分で当てはめてると、生き方や金銭感覚ランクがわかりますよ。

マズローの欲求5段階説とは

マズローの欲求5段階説とは、人間性心理学の生みの親とされているアメリカの心理学者・アブラハム・マズローが1943年の論文「A Theory of Human Motivation(人間の動機づけの理論) 」で初めて唱えました。
「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論家したものです。

人間の持つ5つの欲求
  1. 生理的欲求
  2. 安全の欲求
  3. 所属と愛の欲求
  4. 承認欲求
  5. 自己現実の欲求

下層にある欲求ほど低次の欲求、上層にある欲求ほど高次の欲求としています。


そしてマズローは晩年、5段階欲求階層の上にさらにもうひと段階があると発表しました。
それが「超越的な自己実現の欲求」です。

よって、マズローの欲求6段階説がより正確な表現です。

では一つずつ内容を見ていきましょう。

生理的欲求

最も次元の低い生理的欲求とは、呼吸、食物、睡眠、休憩、性欲、排泄など。
生命を維持するための本能的な欲求を指します。

マズローは生理的欲求が85%満たされると、次の欲求に移行するといっています。

安全の欲求

生命がつながると次に生まれる欲求は安全欲求です。
例えば、経済的安定、良い健康状態の維持、保障制度、、良い暮らしといった安心・安全に暮らしたいという欲求です。ガス・電気・水のライフラインも安全欲求の一つですね。

マズローは70%ほど安全欲求が満たされると次の欲求に移行するといっています。

所属と愛の欲求

生理的欲求と安全の欲求が十分に満たされるとこの欲求が現れます。
所属と愛の欲求とは、自分が社会に必要されている、社会的役割が果たせているという感覚です。
言葉で表すなら家族、恋人、同僚、仲間などの共同体の一員に加わりたいと思うことです。
つまり、孤独感や社会的不安を消す欲求でもあります。

承認欲求

承認欲求とは、自分が集団から価値のある存在と認められ、尊重されることを求める欲求です。
尊重のレベルには2つに分かれます。

  • 他者からの評価に対する欲求

    低いレベルの尊重欲求。
    他者からの尊敬、優越、名声、利権、注目などを得ることで満たされる欲求。

  • 自己に対する評価の欲求

    高いレベルの尊重欲求。
    自己肯定感、技術や能力の習得、自己信頼感、自立性などを得ることで満たされる欲求。

自己現実の欲求

これまでの4つの欲求が全て満たされたとしても、自分らしく生きることができない限り、すぐに新しい不満が生じ満足できません。
つまり、より一層自分らしく生きたいという欲求です。

超越的な自己現実の欲求

マズローによると、このレベルに達している人は全人口の1~2%ほどであり、子供でこの段階に達することは不可能であるといっています。

具体的にマズローはこの状態であるとする12人について調査して研究を深めました。

対象のリストにはこのような人達があげられています。


・アブラハム・リンカーン(米16代大統領)
・トーマスジェファーソン(アメリカ独立宣言の起草者のひとり)
・アルバート・アインシュタイン(現代物理学の父)
・アルベルト・シュヴァイツァー(ヒューマニスト)


このリストを見ただけで、一般人にはわからない「境地の域に達した人たち」ということがわかることでしょう。

超越しているか、していないかの判断は至高体験の有無で分けられます。
至高体験とは自分の生きる意味を悟るほど1つの物事に没頭できること。周りが何と言おうが、自分がどうなろうがなりふり構わずがむしゃらにその使命を全うする体験です。


中村哲医師がまさに当てはまると思いませんか?

昆虫採取が趣味だった中村さんは、現地に生息する珍しいしいモンシロチョウを自分の目でみたいという気持ちから、ペシャワル(パキスタンの州都)への赴任を引き受けました。
そこから彼の生活は大きく変わります。

医師にも関わらず、現地の病気の原因は栄養不足や衛生面が悪いからとし「百の診療所よりも一本の用水路」を掛け声に10年もの月日をかけ、大河川から水を引く用水路を27キロメートルも引きました。
砂漠に川を作り上げ、農地にするという偉業を成し遂げ最期は銃撃され亡くなりました。
今でも中村さんの遺志を受け継ぎ、活動は続いています。

ここまでくると神の域と言えるでしょう。

つまり欲求5段階説を使うことにより、「人格の現在地」を知ることができます。


欠乏欲求と成長欲求

マズローは最初の4つの欲求を「欠乏欲求」、自己現実の欲求を「成長欲求」と分別し、質的に異なる動機が存在すると考えました。

欠乏欲求とは
不足していると不満感が生じるもの。そして満たされれば飽きて忘れてしまう。そして人は別の欲求を持つようになるといいます。

例えば、物理的で一番わかりやすいのは生理的欲求です。
お腹がすいたから食事をする。食事がすんだら空腹など忘れて、トイレに行きたいという欲求を持つ。

精神的なものだと、特定のグループの輪に入りたいと思う。加入できると「グループの一員になりたい」という欲求が消え、グループ内で特別な存在になりたいと思う。


成長欲求とは
それ自体が目標になっているので欲求がなくなることはありません。

例えば、ゲームをやめることって難しくないですか?
ゲームは簡易的にその疑似体験ができる方法でもあると感じます。

どんなゲームでも目的が設定されていますよね。RPGなら「ラスボスを倒し街に平和をもたらす」という目的があります。
スライムから倒し始め、レベルを上げて倒せなかった敵を倒していけるようになると、マップも広がり楽しくりますよね?
仲間を集め、中ボスをやっとの思いで倒す。そしてラスボス討伐。ゲームはここで終わりを迎えます。

これがリアルな人生になると、レベル上げに当たる「自己成長」には終わりがないため満足しにくいといいます。さらにモチベーションも下がることがありません。
継続して繰り返し目標を達成していくうちに、気が付けば悟りを啓くような状態になっている。


これを知ったとき、なぜイチロー選手が28年間も続けてきた野球を「好き」と言えるのかが理解できた気がしました。



そして私は、お金の使い方も欲求階層で分けることができると思っています。

今すぐやめるべきお金の使いどころ

ここまで説明して、薄々答えがわかった方もいるかもれませんね。

今すぐやめたほうがいいお金の使いどころ。それは欠乏欲求に充てるお金です。

「おいおい、飲まず食わずにしろっていうのか!?」という声も上がってきそうですが、そうではありません。必要以上の支出を避けるべきという事です。

毎日フルコースの料理を食べる必要があるか?
極端な例ですが、別にお腹を満たすなら白米、具沢山の味噌汁、納豆、漬物だけでもお腹は満たされます。
必要以上の支出を避けるというのは、背伸びをしないという事でもあります。

多くの人はエネルギーを欠乏欲求を満たすことに使いがちです。
だからこそ電車の広告、テレビCM、雑誌、ネット広告。こういったものは欠乏欲求を刺激するものです。

未婚者には、所属と愛の欲求を刺激する婚活広告。
睡眠不足の会社員には、生理的欲求を刺激する寝具広告。
健康でいたい人には、安全の欲求を刺激する医療保険広告。

こう視点で街をみると、いかに企業が消費を促すために尽力しているかがわかります。
一見自己成長を促すような英会話スクールや資格取得講座なども、自分のためにやっているか?といわれると、必ずしもそうではない場合があります。

なぜ企業がここまでして欠乏欲求を刺激するのか?

答えはとてもシンプルです。成長欲求より欠乏欲求のほうが人はお金を支払いやすから。


ここを広告や周りの人に流されることなく、自分で取捨選択できるようになることがお金を無駄に使わない線引きとなると考えます。


まずは強力な欠乏欲求に属される物質的欲求を見直してみましょう。

着ていない服や聞いていないCDはありませんか?
過度な保険によって保険貧乏になっていませんか?
結婚したら新築戸建てが当たり前だと思っていませんか?
携帯料金は月額1万が当たり前になっていませんか?


今支払おうとしているそのお金は、欲求階層に当てはめるとどの段階にあって、どんな動機で支払おうとしているのか考える癖をつけましょう。
何も考えず欲求動機に任せたまま行動することが、お金の悪い使い方です。

他人軸でお金を使わない

  • みんなが買っているから~
  • これを持っていると周りから特別扱いされるから~
  • 友達が一緒にっていうから~

こういうお金の使い方をしているといつまでたってもお金は貯まらない上に、お金を消費している割に満足感がありません。

自分が食べたいと思ったものを食べるのか、友人の選んだものを食べるのかどちらが満足しますか?そんな簡単な話です。
単純な話なはずなのに、いざ考えてみると他人軸でお金を使っている人はたくさんいます。

マズローの承認欲求で解説した「他者からの評価に対する欲求」にお金を使っていると、いつまでたってもそこから抜け出すことができず、ジレンマに陥ります。
自己実現である「自分らしく生きること」ができていない状態です。

ここから抜け出すには、自分軸である「 自己に対する評価の欲求 」に変えていく必要があります。
お金の使い方で生き方も変わってきます。
生き方を変えればお金の使い方も変わります。
どちらからでもいいので、できるところから今すぐ始めるとあなたの人生や貯蓄力はみるみる変化していきます。